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コーヒー豆とポジティブリスト制度の残留農薬について

コーヒー生豆と残留農薬について

コーヒー豆に限らないことですが、輸入された時点で残留農薬の検査が行われています。

これは昔から実施されていた内容なのですが、2006年に施行されたポジティブリスト制度により残留農薬の検査基準はより厳しく検査されることになりました。

残留農薬をより厳しい基準で検査すること自体は安心・安全の側面から考えても大切なことです。

しかし現実的に健康への影響を考えられた基準値にはなっていない農薬もまだまだ多く存在しており、それがコーヒー生豆輸入の際にも問題になることがあります。

ポジティブリスト制度が施行された際にそれまで検査基準値が設けられていなかった残留農薬に対して0.01ppm(1ppm=100万分の1の単位)という非常に厳しい一律基準値が設けられました。

一律基準ということで、具体的な調理方法や食べ方というものが考慮されることなく決定されたために例えば直接食べる可能性の高い野菜と、基本的に焙煎加工することが前提のコーヒー生豆のどちらも一律基準値としては等しく0.01ppmとなっているのです。

2008年度のモカ問題について

残留農薬の影響を受けて2008年にはモカが日本市場で非常に入手困難になったことがあります。

この時はまずイエメン産のコーヒー生豆から残留農薬が検出され、その後エチオピアコーヒー生豆からも残留農薬が検出され輸入量が激減するという大きな問題になりました。

その際には3種類の農薬が検出されていたのですが、その中のヘプタクロルという農薬について抜粋して考えてみましょう。

まずコーヒー生豆は一律基準の0.01ppm、一方でジャマイモやキャベツに対しては0.03ppmという3倍の基準値が設定されていました。
(いずれも2008年当時の基準値です。)

3倍の基準値が正しいか否かは簡単に決めることが出来るものでもありませんが、このように一つひとつ基準値を精査検証していくと、現在使われている基準値は果たして適正値なのかという疑問が残るのも確かです。

ただし輸入食品全てに適正値を設定していくのが途方もない作業だというのもよくわかります。
農薬の種類だけでも700種類を軽く超える農薬が存在しており、輸入品目も非常に多い中で全てに適正値を決めるというのも無理な話です。

つまり適切な基準値が不明な輸入原料の農薬については一律基準値(0.01ppm)で当面は検査していき、適正な基準値が明確になった段階で置き換えていくというのが現実的な方法なのです。
2006年に施行されたポジティブリスト制度はあくまでスタートラインであり、そこから農薬の基準値を適正な値へと変えるためには継続的な取り組みが大切なのだと思います。

コロンビア産残留農薬について

今年の5月に全量検査命令が出たコロンビアコーヒー豆ですが、その際にはクロルピリホスという残留農薬が検出されました。(基準値は0.05ppm)
厚生労働省から発表されました資料によりますと、体重60Kgの人が毎日コーヒー生豆を300g摂取しても健康面に影響が出ることはないそうです。

もちろん生豆の状態で食べることは考えられませんので、焙煎豆の場合はより安心な状態と考えることが出来るでしょう。

農薬は基本的に揮発性物質であり、コーヒー豆の焙煎のように高温な状況下になると消失すると考えられているのです。

ちなみにお米で基準値は0.1ppm、大豆は0.3ppm、はくさいの場合は1ppmといずれもコーヒー生豆よりも高い基準値が設定されていることが多いようです。

コーヒー生豆の安全について

今回コロンビアコーヒー豆から基準値を超えた残留農薬が検出されたわけですが、基準値が超えたコーヒー生豆はどのようになるのでしょうか?

まず日本国内で流通することは出来ません。
輸入貨物は通関を呼ばれる検査を通すわけですが、そこで止められ国内に持ち込むことは認められません。

基本的には焼却処分するか、コーヒー生産国へ返却するのかという対応をされているようです。

そのため国内にあるコロンビアコーヒー豆については過剰に心配されることはありません。

農薬についてですが、有機栽培(オーガニック)でも無い限りコーヒー豆が農薬を使って生産されています。
病害虫の防止のためには使わざるを得ないというものなので、ある程度の量が検出されるのは仕方が無いかもしれません。

もちろんその残留量が人体に悪影響を与えるのであれば大問題です。

しかし残留量的にも問題なくまたコーヒーの加工工程から考えて全く問題が無い範囲であれば基準値を見直す必要があるはずです。

時間はかかるかもしれませんが、農薬への基準値をより研究し生産者に過剰な負担がかからないようになってほしいと思います。

コーヒー生豆と残留農薬について

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