コーヒー豆というのは実は栽培品種が幾つかあります。
ブレンドコーヒーを粉にする前によく見てみるとわかるのですが、丸っこい豆や細長い豆など幾つかタイプがあることがわかると思います。
コーヒー豆は生産国毎に味わいが異なっており、これがコーヒーを飲む上での楽しみの一つなのですが、栽培品種によっても味は大きく変わります。
アラビカ種とカネフォラ種
大きな分類としてはアラビカ種とカネフォラ種という2つの種類です。
アラビカ種がコーヒー全生産量の約65%、残り約35%がカネフォラ種と言われています。
もう1つリベリカ種という品種があり、この3つを「三大原種」と呼びますが、リベリカ種コーヒーはほとんど流通していない(1%以下)のでなかなか目にする機会は無いと思います。
ところで、カネフォラ種よりロブスタの名前のほうがご存知の方が多いかもしれません。
ロブスタというのはカネフォラ種の中の種類の一つです。(他にはブラジルで栽培されているコニロンもカネフォラ種の一つです。)
最近ではカネフォラ = ロブスタの意図で呼称されるケースも多いので、ほとんど同じ意味です。
ちなみにロブスタは「強い」という意味です。エビではありません。海老食べたい。
高級コーヒー 廉価コーヒー
初めて発見されたコーヒーはアラビカ種だそうです。
ところでアラビカ種コーヒーは高級コーヒーという呼ばれ方をすることもあります。(「高級豆アラビカ種100%使用!!」とか。)
まぁ実際スペシャルティはもちろん、シングルオリジン(コロンビア・グアテマラ・マンデリンetc,etc..)などは全てアラビカ種コーヒーです。
酸味や甘みなど特徴的な味わいのものが多く、また栽培が難しい(病気になる恐れ、生産地の標高がある程度高くないと育ちにくいなど)こともあり、高額で売買されています。
ブルーマウンテンを壊滅危機に追い込んだのは病気とハリケーンの二重被害でした。病気はあっという間に生産エリアに拡がっていくので、コーヒー生産者の方は常にコーヒーの健康状況には注意を払っておられます。
一方で、カネフォラ種はアラビカ種より後から発見された品種ですが、サビ病を始めとするコーヒーの病気に強く、平地でも結構育つ、と収穫効率が良い上に苦みがしっかりしているので工業用(インスタントコーヒー等)に利用されることも多く、どことなく安物扱いされがちです。
たしかにカネフォラ単独をドリップで淹れても、どこか拍子抜けする味のコーヒーになってしまいます。香りは結構いいんですけど(個人差あり)。
しかし、エスプレッソやアイスコーヒー、その他ブレンドでもカネフォラ種を入れるのと入れないのでは味に雲泥の差が出ます。引き立て役として真価を発揮するという感じですかね。
ここまでをざっくりまとめると、
「アラビカ種」「リベリカ種」「カネフォラ種(ロブスタ種)」 がコーヒーの三大原種。リベリカは無視してよい。
アラビカ種は上品な酸味とすっきりとした味わいで、ブレンドのみならず単品でも美味しいコーヒーです。ただし病害虫にやや弱い傾向にあり、対策が欠かせない。
カネフォラ種は力強い苦味のあるボディ感と香りが特徴的。
単品だと少し飲みにくいが、深煎りのコーヒーやエスプレッソ、アイスコーヒーなどにはよく合う。
というところです、
要は使い方で、カネフォラ種が劣っているのではなく適切な使い方をすれば決して悪いコーヒーではないのです。
ちなみにカフェイン量はカネフォラ種の方が倍ぐらい入っています。
受験勉強などで覚醒効果を期待するのであればカネフォラ種のコーヒーを飲むのもいいかもしれませんね。
コーヒーの品種はどんどん増えている
アラビカ種はさらにティピカ、ムンドノード、カトゥーラ、ブルボンなどに細分化することが出来ます。詳しく見ると大変なので割愛します。
さらにアラビカ種同士を交配させることで新しいアラビカ種コーヒーの開発もすすんでいます。これは農作物全般どこでも同じことですね。より美味しいもの、より病気に強いものを目指して。
またアラビカとカネフォラを薬品や突然変異種などを利用して交配させたハイブリッド種というのも存在していますが、よりマニアックなのでこちらも割愛します。
上手くいくと「美味しい上に病気にも強い」という最強のコーヒー豆が出来るわけですね、楽しみです。
ゆう珈琲の品種別分類
ちなみに当店販売のコーヒーをいくつか見てみると、
ブラジル トミオフクダ・ドライオンツリー・・・アラビカ種 – ムンドノーボ種
エチオピア モカ・イェルガチェフェ・グレード1・・・アラビカ種 – エチオピア原種
パナマ エスメラルダ・ゲイシャ・・・アラビカ種 – ゲイシャ種
などといった具合です。
アイスコーヒーブレンドではカネフォラ種を多く利用していますが、それ以外はほとんどがアラビカ種系ですね。