最近ラ・エスメラルダ ゲイシャの焙煎豆を見ていてふと思ったのですが、厳選されたコーヒー豆の中でも最高峰のコーヒー豆であるエスメラルダ ゲイシャでも稀に欠点が混入していることがあります。
欠点というのは枯豆や発酵豆、木片・木くずなどの味に対して悪影響を与えると考えられているものですね。
たまにトウモロコシの実も入っていることがあり、これがもし焙煎機に入ってしまうとポップコーンの出来上がりです。
コーヒー豆に異物が混入する理由について
しかしそもそもなぜそのようなものがコーヒー豆に混入しているのでしょうか?
これはコーヒーが農作物である以上避けられない宿命と言えるかもしれません。
収穫工程や乾燥工程などあらゆる場面で異物が混入する可能性はあり、コーヒー生産国ではそれらを出来るだけ取り除くために選別機を使用してコーヒー生豆と異物を選別していくのです。
しかしそれでも完璧とまではいかないのですね。
見つからず除去しきれていないものが混入しているものが少なからず存在しています。
また例えばエチオピアやペルーは欠点数でコーヒー豆の格付けが行われる国です。
つまり最初からある程度異物が混入している前提でコーヒーの品質が決定されているわけであり、異物の数が少なくなる程価格が高くなるようになっています。
ブラジルも格付け(グレード)で最高がNo2という名称になっています。
これは農作物であるため欠点が含まれていないコーヒーは存在しないという考えで、No1という格付けは存在していないのです。
スペシャルティコーヒーの豆を見ていますと欠点の混入率が非常に少なく、雑味の無い味わいの理由の一つがこの欠点が含まれていない(非常に少ない)ということにあるのでしょう。
コーヒーの欠点は悪いものなのか?
ところでコーヒーの欠点は味わいでは必ず悪影響を与えているものなのでしょうか?
木片や石などそもそもコーヒー豆ではないものは当然ですが全て取り除くべきです。
コーヒーの味に悪影響を与えるだけでなく、小石が混ざっているとコーヒーミル(粉砕機)が壊れてしまう原因になります。
一方の発酵豆や枯れ豆はどうでしょう?
確かにこれを取り除いていくことは、コーヒーの味にとってプラスになります。
しかし徹底的に欠点豆と呼ばれるものを取り除いていくと、味覚は全体的に尖ったものが無い全体的にまろやかな味わいになります。
プリンセサワイニーのあの個性的な香りは、苦手な方からすると不快な「発酵臭」と感じられますが、「個性」と受け取ることが出来れば素晴らしい風味のコーヒーと評価が分かれやすいコーヒー豆です。
プリンセサワイニーはドミニカの中では珍しい非水洗式(ナチュラル)と呼ばれる果肉がついたままで乾燥させていく作り方をしており、あの特徴的な風味へと繋がっています。

おそらく絶妙なバランスの上に成り立っているコーヒー豆なのだろうなと感じます。
もし香りがより強く出すぎてしまうとただの欠点豆となってしまうかもしれません。
そう考えると非水洗式は非常にリスキーな一方で、水洗式(ウォッシュド)では作ることの出来ない新たな味を生み出す可能性を秘めているのかもしれません。
コーヒーの品質にこだわります
コーヒーの味わいを決める大きな要素は原材料であるコーヒー生豆の品質、焙煎方法、粉砕方法、抽出方法の大きく分けると4つの工程で決定されます。
当店が美味しいコーヒーをお届けしていくためには良いコーヒー生豆の選定と、適切な焙煎方法が欠かせないわけです。
良いコーヒー豆をお届けするためには、品質のために妥協しない頑固な信念を持って取り組んでいきたいと思います。
ところでこれを書き終えてから、想像を絶する欠点豆が存在することを思い出しました。
また次の機会にでもご紹介してみようと思います。