コーヒーは生産地域の標高が高くなると気温が低くなり、糖質が多くなります。
ということは標高の高い地域で生産されたコーヒーは甘くなるのでしょうか?
標高が高い地域で生産したものを使えば甘みが豊かなコーヒーになる、というわけではありません。
コーヒーにはショ糖を代表とする糖分が含まれているのですが、これはコーヒーを飲んだ時に感じる、「ほのかな甘み」とは関連が無いと言われています。
では糖分はコーヒーを飲む際にどのような影響を与えるのでしょうか?
標高が高い地域のコーヒーの味
中米では標高が高くなることで上質な酸味のあるコーヒーになり、格付けでいい品質であると判断されます。
例えばグアテマラであれば標高の高いところから順にSHB、HB、EPWと高さによって格付けが行われます。
グアテマラSHBは当店でも取り扱いのあるコーヒーで雑味の無い上質な酸味が特徴的です。
一方標高の低いEPWを飲むと酸味は少なく、少しブラジルのような中性的な味わいに近いものを感じます。
標高の高いSHBは糖分が多くなっているにも関わらず、EPWに比べて甘みが多いようには感じません。
このように標高が高くなり糖分が多くなることは「酸味」に対して影響を与えるのです。
これは焙煎により成分が変化することが原因です。
焙煎による酸味の発生
コーヒーに含まれている単糖類は焙煎工程の段階で「酸味」を形成する成分へと変化していきます。
その後さらに焙煎を進めて深煎りになると酸味の成分は減少していき、「苦味」を全面に感じやすくなります。
焙煎が深くなると全体的に苦味のあるコーヒー豆になるわけです。
そのため酸味を楽しみたいのであれば、浅煎り〜中煎りに焙煎するのが適切になるわけですね。
多糖類も甘みになるわけではなく、コーヒーを飲んだ際の質感(口当たりなど)に影響するのだそうです。
いずれにしても糖類が甘みに直結するものではないということですね。
オリジナルブレンドやトミオフクダは、口当たりの良い味わいと甘みを含んだコーヒーですが、甘みの元を考えながら飲んでみるとまた違う印象を受けるかもしれませんね。