1杯のコーヒーを飲むことが結果的に多くの人の幸せに繋がっているのかもしれません。
最近仕事をしながら少し考え事をしていると、「なぜこの作業をしているのだろう」と思うことがあります。
別に仕事が嫌なわけではなく、その作業をすることで自分は結果的にどのようになりたいのかと考えているのです。
もちろんコーヒーに関わる事業をすることで生活しているわけですから、そんなこと考えるまでもなく「生活のため」なのですが広い視点で考えると「コーヒーを飲むことで美味しいひとときを楽しんでいただくため」と思っています。
さらにコーヒーが出来上がるまでの工程まで遡ると一杯のコーヒーが出来上がるまで生産・流通・加工・販売と実に多くの人たちが関わっていることがわかります。
コーヒーの生産に携わる生産農家
コーヒー豆は赤道付近のコーヒーベルトと呼ばれるエリアの生産国で主に栽培されています。
コーヒーの木を植えてから実際に収穫できるようになり農家の方が収入を得られるようになるまでには少なくとも3年間近くの年月が必要になります。
また植えていればそれでいいというわけではなく、もちろん肥料や病害虫の対策もしっかりと行わないと収穫量に影響します。
またコーヒーの木から収穫できるコーヒー生豆は1本に対して1Kg前後の数量でしかありません。
生産に要する時間と労力、経費を考えると大変な仕事だというのがよくわかります。
コーヒーを生産することで生活を成り立つようにするには相当な数のコーヒーの木を植えなければいけないわけです。
コーヒーの生産に携わる品質検査
コーヒー豆はカッピングと呼ばれる品質検査を経て格付けが行われます。
カッピングは欠点豆なども判断する重要な工程で、日本で極端な欠点豆を見ることが殆ど無いのもこのカッピングのおかげと言えます。
コーヒーの生産に携わる輸出業者
格付けが終わったコーヒー生豆が麻袋に詰められて消費国に対して輸出されることになります。
コンテナに200袋以上のまとまった数を船に乗せて時間をかけて消費国に対して運ばれることになります。
コーヒーの生産に携わる輸入検査
まだまだ私達の手元にコーヒーは届きません。
日本へ入ってきた生豆は国内でも検査を受けて通過したものだけが国内で流通されることになります。
主に残留農薬などを中心に基準値を超えた豆が輸入されていないかを確認していきます。
万が一基準値を超えたものは国内に流通されることは禁止されています。
輸入検査をクリアしたコーヒー生豆は運送会社によって倉庫を経て焙煎業者へと運ばれていくのです。
コーヒーの生産に携わる焙煎業者
ここで当店のようなコーヒー焙煎業者にコーヒー豆が届きます。
焙煎前にもコーヒー豆をテストロースターで焙煎し、味の品質や適切な焙煎を確認していきます。
同じ銘柄の生豆であっても時期や生産年度によって品質が異なる場合があり、
美味しいコーヒーをお届けするためには重要な工程であると考えています。
品質確認後にコーヒー豆を焙煎していきます。
コーヒー豆のお届け
焙煎後のコーヒー豆をお客様にお届けして抽出していただくことで、美味しい1杯のコーヒーが出来上がります。
色々な抽出方法でコーヒーの味わいを楽しんでください。
コーヒーから笑顔をつくりたい
流通工程から書いたため長くなってしまいました。
冒頭にお話していました「私がコーヒーの仕事をする理由」の本質的な部分としては結局コーヒーに関わる全ての人達の笑顔にするためではないかと思うのです。
そのためにはコーヒー生豆を買い叩くのではなく、適正な価格で購入することや生産工程やパッキングでも丁寧に対応することで結果的にみんなの幸せにつながっていくのではないかと思います。
私がコーヒーの世界に携わることで、一つでも多くの笑顔が増えてくれれば嬉しいです。