当店の名前にも入っていますが、コーヒーは漢字で珈琲と書きます。
2文字ともコーヒー以外の用途で使うことは基本的に無い文字なので、漢字を知らないという人も結構多いのではないですかね?
私も仕事でコーヒーに関わるまでは漢字は知りませんでした。
何度も目にする機会はあったはずなのですが、おそらく当時はそこまでの関心が無かったので頭に入っていなかったのでしょう。
レギュラーコーヒーの豆を手動式のミルで挽いて飲む という家で育ってきたお陰で、レギュラーコーヒーとインスタントコーヒーが違うという程度の知識はありましたが、仕事を始めた当時はコーヒーの知識はほぼ皆無の状態でしたからね。
コーヒーの漢字の由来
さて気になるのが「珈琲」の名前の由来ですが、コーヒーは元々日本語ではありませんので、当て字なのは間違いありません。
コーヒーを漢字に直すときに、それに近い文字を探したのでしょう。
現存する文献によると、最初から「珈琲」と書かれていたわけではないようです。
歴史ブログではないので簡略化しますがカッコ内は出典です。
1783年 古闘比以(コヲヒイ) (紅毛本草)
1803年 可喜 (蘭療方・蘭療薬解)
そしてついに1816年、 「哥非乙説(かひい説)」という文献で「珈琲」という字が生まれます。
哥非乙(かひい)もコーヒーの当て字のようなので紛らわしいのですね。
王へんの文字は尊いものや美しい物、価値のあるものにあてられますので、コーヒーに「珈」・「琲」の文字をあてた辺りに西洋文化への敬意や憧れのようなものがあったのではと推測されます。
「珈」の文字は訓読みすると「かみかざり」 意味はそのまま「女性の髪飾り」です。
そして「琲」の訓読みは「つらぬく」 意味は「珠飾り(たまかざり)」
真珠にひもを通して連ねた宝飾品のことです。
日本にコーヒーが入ってきた当時、まだまだ高級品でしたからこのような文字をあてたのでは、と言われていますが真相は分かりません。
どちらにせよ綺麗な漢字ですね。
ところで今でこそ日常の中に当たり前のように存在しているコーヒーですが、輸入された初期にコーヒーを飲んだ人というのはどのように感じたのでしょうね。
異国の地から持って来られた謎の黒い液体を飲んだ最初の日本人は、さぞ相当な勇気を振り絞ったことでしょう。
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