コーヒー豆に出る油について
コーヒー豆の表面にテカテカと光る油脂分が出てくることがあります。
これは、コーヒー豆には10%前後の油脂分が含まれており、特に焙煎が深くなるほど豆表面に出やすくなる為です。
この油脂分自体はコーヒーを抽出する段階で取り除かれることが多いです。
ペーパーフィルターなどで濾過する際に油脂分はペーパーフィルターに残り、抽出されたコーヒーには油脂分はほとんど残っていない状態になるわけです。
そのためコーヒーの抽出液にはカロリーはほとんど含まれておりません。
(抽出方法によります。フレンチプレスや浸漬式抽出では抽出液に油脂分も含まれています。)
また焙煎が浅い豆であっても、焙煎後長時間経過すると油脂分が出て来る場合がありますが、この場合の油脂分は焙煎が深い場合とは異なり「品質劣化の一つのサイン」ですので注意が必要です。
コーヒーの抽出カスをバイオ燃料に使う試みもされていますが、この油脂分を有効に利用されている一つの動きと言えるでしょう。
コーヒーの保存袋と油脂分について
コーヒーは焙煎後に空気中の酸素と水分の影響を受けやすく、基本的に保存するためにガスバリア性のあるフィルムなどへ袋詰めします。
フィルムの中には透明な袋もあるのですが、焙煎が深い油脂分の出やすい豆を透明の袋へ詰めると袋に油脂分がついてしまうので見た目的にあまり良くありません。
またコーヒーは光による影響も多少受けますので、透明のフィルムというのは保存にあまり適さないと考えることが出来ます。
品種によっても異なるコーヒーの油脂分
コーヒーはアラビカ種とカネフォラ種という2品種が主要な栽培品種ですが、品種によって油脂分は異なります。
アラビカ種のコーヒーが10~16%の含有量、カネフォラ種で8~12%の含有量です。
アラビカの方が油脂分が多く含まれている傾向にあります。
独特な味わいが特徴的なドミニカ プリンセサワイニーも浅めに焙煎しても油脂分が多くなる傾向になるように思います。
厳密に油脂分を測定したことはありませんが、他のコーヒー豆に比べて油脂分が多い傾向にあり、それが独特な風味へつながっているのかもしれません。
コーヒーの油脂分と香り
コーヒーの油脂分には香り成分も含まれているので、邪魔者扱いすることは出来ません。
多少油脂分が多いことに抵抗を感じても、コーヒーの奥深い香りを形成する要素の一つですので上手に付き合っていきましょう。
また反対にコーヒーの油脂分を味わいたいのであればフレンチプレスなどの抽出方法をすることでコーヒーオイルのなめらかな質感も楽しむことが出来ます。