コーヒー豆は生豆の状態であるならば長期間保存することも可能です。
温度と湿度管理を徹底しておけば数年単位で保管することが出来る一方で、焙煎後のコーヒー豆は非常に品質の変わりやすいデリケートなものです。
しかし品質を度外視するのであれば焙煎豆も長期保管することが出来るのでしょうか?
焙煎したコーヒー豆を長期間保存することでどのような変化があるのか確認してみました。
瓶に密封した状態で保存しました
瓶にコーヒー豆を入れた状態で保存してみました。
開封することはなく、通気性もなし。透明な瓶ですので日光の影響は直接受けることになります。
日当たりのいい場所に瓶を設置して、3年間放置してみました。
結果がトップの写真なのですが、外見上が特に変化は見られません。
コーヒーの香りはほぼ感じることはなく、油が少し劣化したような臭いがあります。
さすがに飲むつもりにはなりませんが、腐っているというわけではありません。
なぜ長時間保存しても腐らないのか?
これだけ長期間環境の悪い条件下で保存しても腐敗することが無い理由としては、やはり水分がほとんど残っていない乾燥状態にあるためでしょう。
魚の干物などと同じく水分がほとんど残っていないため、腐敗もしくは発酵しにくい状態となり長時間の保存が可能になったものと考えられます。
(保存と言っても腐らないというだけで、品質的には良くありませんが。)
焙煎豆が腐らないわけではなく、水分や窒素分などの環境が整えば当然コーヒー豆も変化していき最終的には土に還るようになります。
実際に臭いの吸着や水分調整などの効果があることから堆肥作りの際にはコーヒーの粉は役立ちます。
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実際に売られているコーヒー豆を見ていると賞味期限は様々です。
長い会社であれば1年以上の期限を設定されている場合もありますし、反対に短い場合は数か月の期限設定です。
当店は三ヵ月で賞味期限を設定していますが、なぜこのように色々な期限設定をされているのでしょうか?
コーヒーに限りませんが、賞味期限設定には一律基準はないのです。
保存する材質や衛生状態、味覚検査などを各社で賞味期限を決定するということになっているのですね。
いずれにしましても賞味期限は「開封していない」という状態を前提に決められていますので、開封後は賞味期限に関係なく出来るだけ早めに使うことが大切です。
当店のコーヒーは100g単位で袋詰めしています。
これは開封後に早めに使い切れるように1袋あたりの内容量を少なくしておきたいという理由からです。
賞味期限を3ヶ月にしているのも同じ理由で、少しでも早く、新鮮で美味しい状態で飲んでいただきたい為です。
「コーヒーだから日持ちするでしょ?」と言われることもありますが、焙煎したコーヒー豆は日に日に劣化していくものです。風味を楽しむためにも、できるだけ早くお召し上がり下さいね。