コーヒーを抽出する際には必ず粉砕してから飲みますよね。
粉砕することでコーヒー豆の表面積を大きくすることで抽出効率を高めるためです。
例えばコーヒー豆にそそままお湯を注いだところで飲めるような味にすることは出来ません。
粉砕とはコーヒー豆が本来持っている美味しい味わいを十分に引き出すための重要なプロセスであると考えることが出来ます。
さてコーヒーの粉を見た時に「これは細かくすればお湯に溶けるのではないかな?」と考えたことはありませんか?
私はコーヒーの仕事に携わった初期の頃にそんな事を考えたことがあります。
もし微粒子にすることでお湯に溶かすことが出来るのであればインスタントコーヒーのような使い方が出来ますよね?
このブログを見られている方の多くが結果はわかっていると思いますが、あえて試してみようと思います。
コーヒーを微粒子にしてみました
普段使用しているカリタのコーヒーミルで一番細かい粒子で粉砕しました。
エスプレッソ用の超微粒子という程ではありませんが、結構な細かさに粉砕できています。
これをペーパードリップと浸漬式(カップテスト方法)で試しに抽出してみます。
これでもし溶けてくれれば晴れて、ゆう珈琲の新商品の完成!、となりますが。
当然こうなりますね。
ペーパードリップでは抽出に時間がかかり、成分が抽出され過ぎたコーヒーが出来上がりました。
浸漬式でも味を濃く感じる以外では普段と同じように粉は残ります。
もし完全に溶ければインスタントコーヒーのように使えるの?
超微粉にしたところで溶けないので、あまり意味の無い話になりますが、仮に完全に溶けて且つ同じような味のものを作ることが出来たとしても、インスタントコーヒーとは異なる点が多々存在する飲み物になります。
一番大きい点がカロリーでしょうね。
コーヒー豆そのもののエネルギーは意外と多く、100gあたりに400kcal近くが含まれているのです。
もし超微粉で「溶けるコーヒー」が完成したとしても、5g使った場合で20kcal相当になります。
本来コーヒーにはカロリーが殆ど無いことが魅力の一つですので、コーヒーを飲んでカロリーを摂取するようでは魅力は半減です。
美味しくコーヒーと粒子の関係
残念ながらコーヒーをパウダー状にしても完全に溶かすことは出来ません。
インスタントコーヒーはそもそも高濃度の抽出液から製造するので、根本的な部分が違うわけですね。
ただし完全に溶かすことは出来ないものの、パウダー状になるまで粉砕したものはお菓子などの形で使用することは可能です。
やはり美味しくコーヒーを抽出するためには抽出方法に合わせた適切な挽き方をすることが大切です。
当店でもドリップバッグを作る際には、最も美味しく抽出することが出来るように挽き方は変えています。