コーヒー生豆が高くなっています
世界最大のコーヒー生産国ブラジルの生産がほぼ終わる中、コーヒー先物市場は来年度のコーヒー相場の状況を注視している状況です。
今年(2016/2017クロップ)は5500万袋(おおよそ2640億杯分!)の生産予想で、年初に予想されていた6000万袋は下回るものの、十分な豊作となりました。
10年程前であればブラジルの生産量は3000万~4000万袋であったことを考えるとブラジルの生産量は急激に増えていることがわかりますが、供給が十分に足りているわけではありません。
なぜ生産量が増えているのにも関わらず供給量が潤沢ではないのでしょうか?
理由は消費量の増加にあります。
世界的にコーヒーの消費量は年々増加傾向にあり、特に最大生産国のブラジルは消費国としても非常に大きい割合を占めています。
現在消費国として世界第二位となっており、近い将来消費国として世界No1になる日も遠くないかもしれません。
コーヒーの値段が上昇している理由
さてブラジルが想定より少ない生産量になったもののそれでも豊作の水準です。
ではなぜ今値段が上昇しているのでしょうか?
その前にまずコーヒーの取引で使われている先物取引所について説明させていただきたいと思います。
コーヒーはアラビカ種がニューヨーク、カネフォラ種がロンドンの先物取引所で取引が行われています。
先物取引所は実際の売買というよりも相場変動に対するリスクヘッジ機能を目的に使用されています。
これはコーヒーが主に輸入品で、「販売交渉をした際の値段」 と 「輸出時点での値段」 が必ずしも一致しないためです。
相場価格が日々変動するために販売交渉が確定した時点で同時に先物取引所に売買を行います。
少し難しくなるので割愛しますが、反対の取引を先物取引所で行っておくことで価格変動のリスクを回避する。これが主な先物取引所の使い方です
もう一つの先物取引所の使い方が投資としての側面です。
株の投資をイメージすればわかりやすいと思います。
相場変動で利益を得ることを目的に投資ファンドが先物市場に介入することがあり、ファンドの動向次第でコーヒー相場に大きな影響を与えます。
長くなりましたが現在コーヒーの値段が上昇している原因はこの投資ファンドの動きによるものです。
投資ファンドは現時点の動きよりも常に先の動きを見ています。
ブラジルで降雨不足が続いていることから、このまま降雨不足による影響で来年度ブラジルの生産量が減少すれば供給量が不足し、コーヒー相場は上昇します。
そこで、今後相場が上昇することを予想して投資ファンドが先物市場への買いを入れており、結果的に国際コーヒー相場が上昇し値段が上がっているわけです。
まとめ
現在の時点では具体的に生産量減少に繋がる情報が流れているわけではなく、あくまで噂の段階です。
ブラジルの天候次第で価格が急変動することは十分に考えられます。
美味しいコーヒーを安定してお届けしていくためにも、出来るだけ早くコーヒーの値段が安定していることを願います。
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