当ブログでも過去何度か言葉は出てきたことのある「さび病」ですが、実はコーヒーの生産において非常に大きな打撃を与えてしまう恐ろしい病気なのです。
近年中米を中心に発生し、ブルーマウンテンやクリスタルマウンテンなども含め、中米のコーヒーの生産量が大きく減少した原因の1つもこの「さび病」なのです。
コーヒーの「さび病」とは
コーヒーの歴史を見ていると必ずと言って目にするかと思いますが、スリランカでは紅茶の前にはコーヒーの生産をされていました。
ところがコーヒーの木の病気によりコーヒーは壊滅的なダメージを受けることになり、コーヒー栽培では生活が成り立たない状況下となってしまったのです。
結果的にコーヒー農園はされることなくなり紅茶の生産国へと変化していくわけですが、スリランカコーヒーに大打撃を与えた原因がさび病なのです。
カビの一種らしく、この病気に感染するとコーヒーの葉に赤錆がついたような状態になります。
この状態になると光合成を行うことが出来なくなるため、結果コーヒーの木が大きな被害を受けることとなるのです。
面倒なことに空気感染するために確実に予防するということが難しく、スリランカだけでなくインド、インドネシアと被害は拡大していったのです。
インドネシアのさび病対策
インドネシアではさび病対策として、当初はリベリカ種を植えるように変更したそうです。
しかし新種のさび病が出現することで、リベリカ種も被害を受けてしまい更に品種を変更します。
ここで現在のインドネシアコーヒーの主要生産品種であるカネフォラ種(ロブスタ)へと変わっているのです。
風味の面ではアラビカ種と大きく異なりますが、病害虫に強くさらに生産性も高いためインドネシアではカネフォラ種の生産量で伸びていくことになります。
中米産コーヒーのさび病対策
中米産のコーヒー豆はインドネシアとは違う方向性でさび病対策を進めることになります。
カネフォラ種へ切り替えるのではなく、アラビカ種の中でもコーヒーさび病に耐性のある品種を研究し切り替えしていっています。
ただし現在でもさび病の原因は完全には特定がされていません。
耐性のあるコーヒーの開発も日々行われていますが、それでも完全に防ぐことは難しいのです。
特に近年では温暖化の影響もあり、標高の高い産地でも気温上昇に伴いさび病が発生しやすくなっているようです。