コーヒー豆の種類 セミウォッシュドとパルプドナチュラルについて

コーヒー生豆のセミウォッシュドについて

最近でこそほとんど聞くことはなくなりましたが、昔コーヒー生豆の精選方法について勉強していたころを思い出すと、非水洗式(ナチュラル)・水洗式(ウォッシュド)それとセミウォッシュドの3種類であったように記憶しています。

 

(コーヒー生豆の精選は、収穫した果実から種子を取り出すまでの工程を指しています。)

 

スマトラ式についてもセミウォッシュドと同じような扱いをされていた本を読んで勉強していたために、スマトラ式の存在を知ったのは精選方法の勉強をしてしばらく先になりました。

 

ところでこの「セミウォッシュド」というのは具体的にどのような精選方法なのでしょうか?
セミウォッシュドの精選方法が無くなったのではなく、別の名称になり現在もコーヒー豆精選方法の一つとして存在しています。

セミウォッシュドとスマトラ式の違いについて

セミウォッシュドとスマトラ式の精選方法についてですが、コーヒーの実であるコーヒーチェリーの果肉部分を除去するところまでは同様です。

セミウォッシュドについてはそのまま乾燥工程を進めていき、十分に乾燥してからパーチメント(コーヒーの殻)を取り除きます。
果肉を取り除いただけではミューシレージと呼ばれる粘液質がパーチメントを覆っており保存には適していません。
段取り良く乾燥工程へと進めていくことが品質を保つ上で重要です。

 

一方のスマトラ式は乾燥途中段階でパーチメントを取り除き種子部分を取り出します。
その後乾燥工程へと進んでいくわけですが、乾燥前の種子は比較的傷つきやすいという注意点があり注意が必要です。

つまり「乾燥前に殻から種を取り出すかどうか」がセミウォッシュドとスマトラ式を区別するポイントとなります。

【関連ブログ】
インドネシア産のコーヒー豆マンデリン
特徴的なコーヒー豆スマトラ マンデリンについて

セミウォッシュドコーヒーの現在について

さて肝心のセミウォッシュドですが、現在パルプドナチュラルと呼ばれている精選方法に相当します。
以前はセミウォッシュドという表現もよく見かけていたものですが、今ではほとんど見かけることがありません。

確かに水洗式のように発酵槽を使っているわけでもなく、ウォッシュド(washed)という言葉は適切ではなかったのかもしれません。
中米ではパルプドナチュラルで精選されたコーヒー豆を「ハニープロセス」と呼んでいることもありますが、基本的にはパルプドナチュラルと同じものを指しています。

コーヒー豆の等級や精選方法について

コーヒー豆の価格を決める要素の一つでもあり等級(グレード)や精選方法なのですが、たまにその基準が変更になることがあります。
最近であればジャマイカ産ブルーマウンテンの等級が従来トリアージ(triage)と呼ばれていたものがセレクト(select)という名称に変更されたことがあります。

ただしコーヒー生豆の精選方法については簡単に変化するというものでもありませんが、生産地の研究によって将来的には新しい精選方法も生み出される可能性はあります。

コーヒーの精選方法は味わいにも直結する要素の一つであり、いつか素晴らしい風味のコーヒーを作り出すための精選方法が誕生するかもしれませんね。

【関連コラム】
精選方法から見るコーヒーの違い
コーヒーの精選方法が異なる理由

タイトルとURLをコピーしました