コーヒーを口に含むと苦味や酸味、甘味などの様々な味わいを感じるはずです。
その味わいは生産地やコーヒー豆の作られ方、配合の仕方などで幾つもの組み合わせがあるのです。
コーヒーの味を数字化して表現することはありますが、これらの数字は基本的には人間が飲んだ時に舌で味わった評価を数字として評価していくわけです。
実際に生産国でコーヒーの品質を判断する際には、細かな違いを確認することが求められますので、カッピングで正確にコーヒーの味を判断するために、カッピング担当者にとって「味覚」「嗅覚」を維持するための体調管理は非常に重要なのです。
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美味しいコーヒーをお届けするために大切な「カップテスト」
機械で味わいを判断する味覚センター
さてコーヒーの味は人間の味覚と嗅覚で厳密なチェックをされているという内容を書いていたわけなのですが、実は機械で味わいを数値化することが実現されています。
「味覚センサー」と呼ばれる機械を使って測定するのですが、甘味や苦味、塩味など味覚に関する非常に細かな項目を数値化することが出来る素晴らしいものです。
特に味わいを数値化して比較する際にはこの機械を効果的でしょう。
人間の味覚で比較していては数多くの検体をテストする際にどうしても記憶が曖昧になってしまうこともあります。
単純にデータとして数値を蓄積していく作業であれば味覚センサーを使うことで誰にでも均一の結果を得ることが出来るという点で優れています。
機械では判断出来ない味覚について
しかし味覚センサーも味わいについて万能というわけではありません。
というのも一言で「味覚」といっても、様々な成分が複雑に絡み合い一つの味わいを形成しているわけです。
機械では事前に設定している項目については判断していくことは出来ても、現時点で未知な領域の味覚についてはどうしても確認することは出来ないわけです。
個人差が出やすいとはいえ、味を判断する点においては、実際に舌と香りで判断するというのが一番優れていると言えるでしょう。
しかし同時に、人の味覚が体調や環境によって変わることのある、非常に不安定なものであることも確かです。
私もコーヒーの味をカッピングで判断することが多いですが、訓練と体調管理を続け常にベストなコンディションを維持するように努めていかなければいけませんね。
ところで味覚と数値化といえば、フードマリアージュにも活用することが出来ます。
またいつか時間があるときにコーヒーと相性の良いオススメのスイーツでもご紹介していきたいと思います。