当たり前のことのように思われるかも知れませんが、コーヒーは茶〜黒に近い色をしています。
普段コーヒーを飲む際にはあまり気にすることはないかもしれませんが、これにはコーヒーに含まれている成分が関係しています。
コーヒーには非常に多くの栄養成分が含まれており、これら栄養素が焙煎することによって増減したり、ものによっては新たな成分が発生することでコーヒーの味を作り上げていきます。
(コーヒーに含まれている栄養素については以前のブログをご参照ください。)

コーヒーが黒い理由
コーヒー豆は元々黒くありません。
冒頭の写真が焙煎する前のコーヒー豆ですが、見てもらうと分かるようにうすい緑色がかった白っぽい色をしています。
「コーヒー豆は焙煎して黒くなっているのだから、抽出液が黒くなるのは当たり前じゃないか」という意見もありそうですが、コーヒー豆をペースト状にして液体にしているのではなく、粉に挽いたコーヒー豆をお湯で抽出し、しかもペーパーフィルターなどに粉がほぼ全て残っているわけですから、飲み物としてのコーヒーに色が付いているのには理由があるのです。
メイラード反応とカラメル化
ドリップなどで抽出されたコーヒーの色を構成しているのは ”クロロゲン酸とショ糖から形成される褐色物質、及びショ糖から生成したカラメルや、タンパク質や多糖類などが変化した褐色色素から形成されている ” と言われています。
一言にまとめると、焙煎するときにメイラード反応とカラメル化が起こる為です。
簡単にいうと、玉葱を煎っていると甘い香りがたち飴色になってくるのがメイラード反応で、カラメル化はおなじみのカラメルです。プリンには欠かせないカラメルです。どちらも褐色色素を形成する作用があります。
焙煎が深くなるほど褐色物質は増加するため、焙煎の深いコーヒーほど色が濃くなる傾向にあります。
コーヒーをドリップなどで抽出するときこの褐色色素が含まれるため、コーヒーは黒に近い濃い色になるのです。
コーヒーが黒い理由を考えてみると、普段飲んでいるコーヒーのまた違った一面が見えるかもしれません。