カスカラティーという紅茶をご存知でしょうか?
カスカラティーとはコーヒーチェリーから作る紅茶のことです。
「コーヒーから作る紅茶」というのも不思議な感じがしますが、これもコーヒーの1つの楽しみ方と言えるかも知れません。
コーヒーチェリーについて
カスカラティーに触れる前にコーヒーチェリーについて書いてみます。
コーヒーチェリーというのはご存知の通り、コーヒーの樹につく果実のことです。
サクランボのような外見で、その中の種子にあたる部分のコーヒー生豆が私達が普段口にしているコーヒー豆になるわけです。
では、果肉にあたる部分はどうされるのでしょうか?サクランボのように食べるのでしょうか?
いえいえ、コーヒーの実は食べられる部分が少ないので食用となることは基本的に無いのです。(味はサクランボとよく似ていて食べることはできます)
一般的にコーヒーチェリーは堆肥化して土に戻しています。
循環式の自然環境に優しい取り組みだと思います。
少し話がそれますが、コーヒー生豆の加工後の段階でも様々な生ゴミが発生しますが、堆肥化などの形で自然に戻すことが可能です。
例えば焙煎の際に発生するチャフ、抽出後のコーヒーカスなどが主ですが、それぞれ発酵工程を経ることにより堆肥として使用することが可能です。
抽出カスはバイオ燃料しての利用も行われているようです。
コーヒーチェリーを使用したワイン
10年以上前にコーヒーチェリーを使ってワインを作れないかと考えたこともあります。
おそらくやって出来ない事はないのかもしれませんが、元々コーヒーチェリーの果肉部分は少ないですのでワインを作るとなると相当な量のチェリーが必要になることでしょう。
またコーヒー豆と比較すると果肉の方がダイレクトに残留農薬の危険性が影響することを考えると実現は難しいと考え断念しました。
カスカラティーとキシル
カスカラティーに話を戻します。
「カスカラ」とはスペイン語で「殻」とか「(食べ物の)カス」を意味します。
使われない部分とは言え果肉部分をカス扱いするとはひどい気もしますが、カスカラティ自体も「貧乏人のコーヒー」などと呼ばれ、あくまでも「コーヒーの代用品」として不遇な扱いを受けてきました。
しかし近年になって、 ”コーヒーの魅力表現のひとつ”として世界的に注目されるようになりました。
カスカラティーはコーヒーの種(豆)を取り除いたあとのコーヒーチェリーを天日乾燥させて作る紅茶です。
最初に書いた通り、コーヒーチェリーの果実はサクランボに似た甘みを持った果物ですから、それを乾燥させたカスカラティーはほんのりと甘くサクランボのような香りをもっています。
ところで、カスカラティーの起源はイエメン(モカマタリの生産国)で古くから飲まれている「キシル」ではないかと言われています。
キシルもコーヒーの果実を乾燥させて、生姜やカルダモンを一緒に煮だしたチャイと似た飲み物です。イエメンでは、コーヒーチェリーの果肉を専門に扱う業者もいるらしいですね。
エスメラルダ農園のカスカラティー
先日ラ・エスメラルダ ゲイシャの試飲会に参加した際には、エスメラルダ農園のカスカラティーを試飲させていただきました。
さすがエスメラルダ、と感じる甘みを含んだ味わいでコーヒーとはまた違う一面を実感致しました。
ちなみにですが、カスカラティにはコーヒー同様にコーヒーポリフェノールやカフェインも含まれています。