コーヒー生豆を煎って飲用に適した状態に加工する工程を焙煎と言います。
焙煎工程はコーヒー豆の味を決定する要素の中でも大きく、非常に大切な作業と言えますね。
このコーヒー豆の焙煎ですが、焙煎機の構造によって直火式・半熱風式・熱風式という3種類に分かれています。
今回はその中でも直火式と半熱風式の焙煎機について考えてみました。
熱の伝わり方の違いが焙煎時間やコーヒーの味覚にどのような変化を与えているのでしょうか?
最適なコーヒー豆の焙煎機について
焙煎機というのはいわばコーヒー生豆の調理器具のようなものです。
調理器具によって味に変化が表れるのと同様に焙煎機によって焙煎豆の味も変化します。
さて気になる “どの焙煎機が一番美味しく焙煎することが出来るか” ということですが、これは嗜好品である以上「飲む人によって異なる」というのが正解なのではないかと思っています。
例えば焙煎によってはコーヒー豆の一部が焦げてしまうことがあります。
特に直火式焙煎機のように熱源にコーヒー生豆が直接触れることがある焙煎方法の場合には焦げてしまうことがあるので注意しなければいけないのです。
基本的にコーヒー豆が焦げてしまうと味覚面で質感の悪い苦味や雑味の原因となりますので出来るだけ焦げないように注意しますし、焦げが出来てしまった場合には取り除くようにするのですが、一方でその焦げも直火式の美味しさの一つと考えている方もいます。
味の好みは十人十色ですから、最高のコーヒーの焙煎方法というのは人によって変わってくるのでしょうね。
ガスコンロで使うことの出来る焙煎機
今回このコーヒーコラムを書こうと思った理由がサンプル用で使うことのある、ガスコンロで使える家庭用コーヒー焙煎機です。
元々は卵焼き器のような形状の直火式焙煎機を使っていましたが、コーヒー生豆を焙煎するときに落ちるチャフ(薄皮)の関係で焦げやすく、また焙煎時間も20分間近くかかることから結構しんどいものがありました。
サンプル用とは言え流石にしんどいので購入したのが「煎りたて名人」です。
こちらは急須のような形状をしており一見すると焙煎機には見えませんが、しっかりとコーヒー生豆を焙煎することが出来ます。
焙煎時間も10分近くで出来上がりますので負担も結構少なくなりました。
しかし直火式の方が短時間で焙煎することが出来そうなものですが、なぜ煎りたて名人の方が短時間で焙煎することが出来るのでしょうか?
その理由は輻射(ふくしゃ)熱にあるのだと思います。
煎りたて名人は全体が陶器で作られていますので、加熱されていくことで熱源からの直接的な熱だけなく、輻射熱がコーヒー豆を加熱していくわけです。
そのため比較的弱火な状態で加熱していても短時間で煎り上げることが出来るようです。
芯まで綺麗に煎り上げすることが出来ますので試作品作りには重宝しています。
ちょうど今もエチオピア イルガチェフェの改良品の試作を続けているところです。
ある程度満足出来る仕上がりになりましたら、またご案内させていただこうと思います。