コーヒーを焙煎する時にはいろいろな焙煎機があります。
大きく分類して3種類あることについては以前にもブログで書いたことがありますね。
直火式焙煎機、半熱風式焙煎機、熱風式焙煎機の3種類です。
その中でも多くは半熱風式の焙煎機で、これはコーヒーを投入しているドラムのすぐ下側に熱源がありドラム部分に穴が空いていない構造の焙煎機です。
ドラム部分を通して熱が伝わるために直火式焙煎機に比べてコーヒー豆が焦げる心配が少なくなっています。
焙煎時間が短い手動式焙煎機
一方で私が試作品の焙煎などで使っている手動式の焙煎機である「いりたて名人」なのですが、これは弱火で加熱していても焙煎時間がおおよそ8分前後で出来上がる、コーヒーの焙煎時間としては非常に早いものです。
コーヒー豆を焙煎されたことのない方は8分間で出来上がると聞いてもあまりピンと来ないかもしれませんが、少し大きめの焙煎機であっても、コーヒーを焙煎するためには15分から20分という焙煎時間が必要なのです。
手動式焙煎機のように20分近くも手で振っていてはしんどくて仕方がありません。
この煎りたて名人はセラミックで出来ており、遠赤外線の効果が高く発揮されているようです。
緩やかに振りながら8分間コーヒー続けていればコーヒーを煎ることができますので、負担が少なく家庭でも簡単にコーヒーを焙煎することができる器具です。
焙煎機の構造と焙煎時間
今回はそんな焙煎機の構造について少しお話してみたいと思います。
まず直火式焙煎機です。
これは焙煎機のドラムの部分にパンチングボードと呼ばれる穴が開いており、熱源直接的に熱が伝わる構造になっています。
コーヒー豆に直接的に熱が伝わるために一見すると、短時間で焙煎ができそうにも思いますが、焙煎時間だけで考えると特別短いということはありません。
炭火焙煎など、特殊な焙煎方法の場合はこの直火式焙煎機でないと直接コーヒー豆に熱が伝わらないため、炭火焙煎の場合は全て直火焙煎ということが言えます。
次に半熱風式焙煎機ですがこちらは直火式と違いドラムの部分に穴が開いていません。
直火式焙煎機との違いはここにあります。
コーヒー生豆が直接熱源に触れることがないため、焦げにくいという安心感があります。
少量のコーヒーを焙煎するテストロースターでよく見かけるのもこのタイプの小型版で生豆の投入量が150グラムほどの生豆を豆の焙煎状況を見ながら焙煎していきます。
最後に熱風式の焙煎機です。
こちらは工業用のものであれば6分間など短時間で焙煎することが出来る機械です。
送り込む熱風の量によって焙煎時間を調整することが出来ます。
例えば缶コーヒーの原料など大量に生産しなければいけないコーヒー豆に関してはこの熱風式焙煎機を使い短時間で大量にコーヒー豆を焙煎しているようです。
熱風量を少なくすることで焙煎時間を長くとることもできます。
焙煎の調整はこの熱風の量によって調整するので熱風量を増やせば増やすほど短時間で焙煎することができますが、短時間で焙煎するということは品質を一定に保つための目視時間が短くなり、焙煎を止めるタイミングの判断が難しくなります。
短時間で焙煎できる手動焙煎機
さてで「いりたて名人」に話を戻します。
一回の焙煎量が少ないとはいえ非常に短時間でコーヒーが焙煎できていますね。
これにはコーヒー豆の熱源からの加熱以外に輻射熱が影響しています。
セラミックの構造になっているため加熱されていくに従って熱効率がどんどん高くなりコーヒー豆の内部まで熱が伝わるようになっているわけです。
うまく使いこなせば短時間で効率よくコーヒーを焙煎することができるということでしょう。
おそらく大型化すれば大量のコーヒー豆を効率よく焙煎し続けることも可能なのでしょうが、釜部分の耐久性が課題になるかもしれませんね。
もし製品化しても定期的なメンテナンスは欠かせないように思います。
当店では基本的に半熱風式の焙煎機を使うことが多いです。
焙煎時間はそれなりにかかりますがコーヒー豆の品質を確認しながら、しっかりと焙煎することの出来るいい機械だと思っています。
もちろんコーヒー生豆の選定や焙煎後のコーヒー豆の保存状態も保つようにすることで美味しいコーヒーをお届けするように心がけていきます。