コロンビアのコーヒー生豆から基準値を超える残留農薬が検出されたことから、輸入時の検査対象に対して全量検査が義務付けられる命令が出されました。
※基準値が超えた生豆は国内において流通されることはありませんので、心配は要りません。
以前にもエチオピアやイエメンなどで基準値を超える残留農薬が検出されたことがあり、輸入が困難になったことがありました。
ただし上記モカを生産している二ヶ国が輸入困難になった背景には農薬検出の特定に時間を要したことが大きく、推測でしかありませんが今回のコロンビアはそこまでの問題にはならないのではないかと思います。
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輸入食品に関する残留農薬について
日本は食品に対する基準が厳しく、農薬に関しても基準値が決まっていない項目については0.01ppmという一律基準が設定されているのです。
この0.01ppmというのはプール一杯の水に対して一滴の農薬が入っているだけでも基準値を超えてしまうほどの厳しい値なのです。
それだけしっかりと管理されており、国内で流通されている食品に関しては安心と考えることも出来る一方で生産国とのギャップも感じてしまいます。
コーヒーを作るうえで病害虫対策は欠かせませんので、農薬を使わなければ安定して生産していくことは難しいのです。
もちろん健康面で影響が出るようであれば問題ですが、問題の無い残留農薬に対してまで輸入を断ってしまうと対日本への輸出を嫌がる生産国も現れないとも限りません。
コーヒー豆と残留農薬との関係
コーヒーは生豆の状態で食べるということは、まずありません。
焙煎工程を経てから抽出液を飲むわけですが、焙煎工程での温度は200度前後の高温に達することからコーヒー豆の残留農薬に関してはほぼ消滅すると考えられています。
つまり多少基準値を超える残留農薬が検出されたとしても、焙煎豆になった段階で農薬は揮発し残っていないというわけです。
それなら焙煎豆の状態で検査をすればいいのではないか、というわけにもいかず輸入段階の状態である生豆で検査をすることが現在のルールでは必要なのです。
デリケートな問題なので簡単に変更していくことも出来ない内容ですが、時間がかかってでも見直しを進めていき、生産国と消費国双方にとって最適な形に向かっていければいいなと思います。