高級豆アラビカ種コーヒーの主要生産国の1つ、コロンビア。
現在世界第三位の生産国であるコロンビアですが、今から10年前の2007年頃から「リノベーション」と呼ばれるコーヒーの木の植え替えを行ったことで全体的な生産量が大きく減少したことがあります。
当時は、コロンビアのリノベーション(植え替え)の結果、世界全体的なコーヒー供給量が逼迫し、コーヒー国際相場が高騰、コーヒー豆が高値で取引される時期もありました。
コロンビアは主要生産国ですから、リノベーションを行うことで世界全体の生産量にも大きな影響を与えたわけですが、なぜ生産量を減らしてまで木の植え替えを行ったのでしょうか?
コーヒーの木の若返り
コーヒーの木は長期間育てることが可能なので毎年コーヒーチェリーを収穫することが出来ますが、ある程度の樹齢になると生産量が減少していきます。
そのため長期的にコーヒーの生産量を維持することを考えると、生産面積を増やすか植え替えして若返らせる必要があるわけです。
病害虫の強い品種への植え替え
もう一つの大きな理由が「病害虫の強い品種への植え替え」です。
コーヒーの生産で恐れられている病害虫の一つがサビ病です。
サビ病は一度発生するとコーヒー生産に大打撃を与える厄介な病気で、近年では中米を中心に被害が発生し、コーヒーの生産量に大きな影響を与えています。
コロンビアではリノベーションを行った効果もあり、サビ病被害はほとんど無く世界的なコーヒー生産量の減少をカバーすることが出来ました。
コーヒーの木は植えてから本格的に収穫できるようになるまで3年以上の時間を要することから、コロンビアのコーヒー生産量は数年間に渡り激減したわけですが、現在植え替えをしたことが全体的にプラスに動いているように感じます。
現在コーヒー相場は少し高めの価格で推移してはいますが、もしもコロンビアがリノベーションを行っておらず不作であれば、この程度の価格で落ち着くことはなく より高値となっていたはずです。
先見の明と言いますか、数年間の生産量減をいとわず大規模なリノベーションを行ったコロンビアには脱帽&感謝です。
コロンビアはマイルド系コーヒーの代表的な生産国だけに、生産量次第で世界的に大きな影響があります。
当店でのブレンドの一部でも使用しており、美味しいコーヒー作りには欠かせない豆の一つと言えるでしょう。
これからも安定した生産を続けてもらいたいものです。