コーヒーを製造・販売している当店としては「美味しいコーヒー」をお届けすることが何より大切だと考えています。
コーヒーの美味しさを決定づけるのには幾つかポイントがあります。
コーヒー豆ごとに最適な焙煎
一つ目は焙煎方法。
原料となるコーヒー豆の個性に合わせた適切な焙煎をすることが大切です。
焙煎は熱が加わればいいというものでもありません。また焙煎機にも様々な種類があり、焙煎機の構造による熱の加わり方や温度設定など多くの選択肢の中から最適なものを見つける必要があります。
また一つの原料に対して適切な焙煎というものは一つではありません。
当然求めている飲み方や味わいに合わせて焙煎の深さは調整していかなければいけないわけです。
コーヒー豆の保存状況
二つ目は保存状況ですね。
焙煎後のコーヒー豆は少しずつ品質が変化していくために、品質が変化しにくい保存状態を保つということが非常に大切なのです。
もちろん焙煎後は速やかに飲むことは大前提になるわけですが、現実的に焙煎後短時間でコーヒーを飲むことは難しく、酸素や水分に対して抵抗力のある包材で保存するということが非常に大切になるわけです。

コーヒー生豆の状態が良いものを選ぶ
三番目が原材料の状態です。
品質的に問題のある生豆を使っている限りは焙煎などでどれだけ丁寧に生産したところで大きく改善させることは出来ません。
良いコーヒーを作るためには、当然「良い原料」を購入するということが大切になるのです。
そのためにはカッピング(試飲)の技術を向上させることや、目利きの技術が必要になってきます。
次の四番目が最後の項目で、今回特に書きたかったポイントです。
複数のコーヒー豆を組み合わせることによる「ブレンド」です。
(他にもポイントはありますが、キリがありませんのでここまでとします。)
コーヒー豆をブレンドする醍醐味
ブレンドコーヒーはコーヒー製造加工する上での醍醐味ではないかと思います。
もちろん、販売されているブレンドコーヒーの中には安価に販売することを主な目的としたものや、企画的な意味合いが強いものも存在していますが、味わいを追求していくことを目的としたブレンドコーヒーの魅力は言葉になりません。
単一種のコーヒーでは味わいの表現にどうしても限界があります。
元々香りが少ないコーヒー生豆をいかに工夫して焙煎したところで香りを付加することは出来ません。
しかし複数の生豆を適切に配合することで今までに無い味わいのコーヒー豆を新しく作ることも可能になるのです。
当店でもブレンドコーヒーを幾つか製造してお届けしていますが、他店には無い素晴らしい味わいのコーヒーが出来ていると自負しています。
例えばフローラル・モカブレンドは口に含んだ際に広がる香りと、上質な酸味のある後味が特徴なのですが、複数のコーヒー豆を適切な状態で焙煎した上でさらにバランスよく配合することで味わいが混ざり合い、フローラル・モカブレンドの味わいを形成しています。
つまり酸味の元となる豆がどれか、香りの元がどれか、という話ではなく複数のコーヒー豆の特徴を一つにした結果の味わいであり、配合しているどの豆が欠けても実現出来ないものなのです。
味の単純な足し算ではなく、場合によってはマイナスの部分だけが強調される結果になることもあり、味わいの表現について非常に幅広い可能性があると言えます。
https://youcoffee.thebase.in/items/34387758
コーヒーの飲み方と美味しさ
どんなコーヒー豆も万能なものというのは存在しません。
ペーパードリップに最適なコーヒー豆がエスプレッソやアイスコーヒーに向いているのかと言われると味わい的に物足りなく感じるはずです。
抽出方法に合わせたコーヒー豆を選定することが非常に大切になるわけで、当店でブレンドコーヒーを作る際にも飲み方をある程度想定した上で商品を作るようにしています。
また食べ物と一緒に飲んだ時に相性というものも大事ですね。
最近は6月の限定ブレンドコーヒーに向けて試飲をすることが多かったのですが、少し甘味のあるチョコレートとの相性が非常に良かったのが印象に残っています。
このような食べ物との組み合わせを考えるのもコーヒーを楽しむ上で面白いと思います。