ブラジルのスペシャルティコーヒー、ドライオンツリー
店長お気に入りのコーヒーの一つでもある当店取り扱いのトミオフクダ ドライオンツリーはブラジル産のスペシャルティコーヒーです。生産しているのはバウー農園のフクダ トミオさん。
職人気質な日系2世の方で、樹上乾燥(ドライオンツリー)には15年程前から取り組みをされており、スペシャルティコーヒーの世界では有名な方です。
ドライ オン ツリー(dried on tree)の名前の通り、「樹の上でコーヒーチェリーを乾燥させる」ことがコンセプトの商品で、収穫間際まで樹の持つ栄養分を実に集めることが出来るわけです。
ドライオンツリーの甘みを含んだ上質な味わいは、この樹上乾燥によって作り出されていると言って間違いないでしょう。

(トミオフクダDOTにいただいた商品レビュー)
一般的なコーヒーの収穫方法
一般的に流通しているブラジルコーヒー豆の収穫方法は機械を使用して収穫されることが多いです。
コーヒーの樹をまたぐような形で機械を通し、振動させることで収穫していきます。
この際にまだ未熟なチェリーや葉や枝なども混入することがあります。(収穫後に選別処理を行いますので、異物のほとんどは最終的には取り除かれます。)
コーヒー豆の最大生産国ブラジルでは生産量が非常に多く、収穫効率を高めるためには機械を使用することも必須になります。
一方で、中米の生産地の多くでは手摘みで完熟豆だけを収穫していきます。
これは品質にこだわっているということも勿論ありますが、生産地の立地的に斜面が多く、機械で収穫することが現実的ではないという理由もあります。
中米の場合でも真っ赤に完熟した段階での収穫であり、樹の上で乾燥までさせることはありません。
樹上乾燥が珍しい理由
さてトミオフクダさんが実施されている樹上乾燥が難しい理由ですが、大きく分類すると2つの理由があります。
コーヒーの樹の負担が大きい
まずひとつ目が樹に対して負担が大きい点です。
樹の上で乾燥するまでチェリーを収穫しないことで、樹の栄養が通常以上にチェリーに吸収され、コーヒーの樹へ負担が大きいのです。
コーヒーは通常に生産していても豊作年の表作と不作年の裏作があるのですが、それ以上に樹上乾燥させることによりコーヒーの樹が疲れてしまい収穫量が減少してしまうのです。
収穫量が減少すると結果的に収入にも影響しますので産地としては抵抗があるわけですね。
天候の問題
もう一つが天候的な問題でしょう。
完熟するまでコーヒーの樹につけているということは、途中で天候の影響によって落果し商品に使用できなくなるリスクも抱えることになります。
そういった意味では、ブラジルのように乾季と雨季が明確に分かれていないと樹上乾燥のコーヒーを作り出すことは困難でしょう。
ドライオンツリーの味わいはこのような、正に「スペシャルティ」なこだわりによって作り出されているわけです。
ゆう珈琲:トミオフクダ ドライオンツリー