産地・品種が有名だから美味しいコーヒーなのか?

今回少し愚痴っぽい内容になりますが、先日コーヒー生豆の件で取引先と話をさせていただいた中で少し違和感を覚えましたので、その辺を書かせていただこうと思います。

スペシャルティコーヒーは過去にも書かせて頂いたとおり、それぞれの産地・農園が、より美味しいコーヒーを作るべく試行錯誤して作り出されたものです。

 

もちろん産地だけではなく焙煎業者や抽出工程(ドリップやプレスなど、実際にコーヒーを淹れる工程)など、一杯のコーヒーに関わるあらゆる工程が、抽出されるコーヒー液のクオリティーの高さ( = おいしさ)につながるわけです。

今回の商談では「産地」と「品種」を前面に出し、「〜だからおいしい」と言う形で話をされていました。

確かに、どこの農園で、コーヒーの品種は何なのか、と言う事はコーヒーの味わいをつくる1つの要素だとは思います。

しかし私の考えは、「産地や品種と言うのはあくまで尺度でしかなく、美味しいか否かという話とは少し違うのではないか」ということです。

 

 

どちらかと言うと、あらゆる尺度(産地・精選方法・品種など)の結果、「どのような味わいに仕上がっているのか」という点が重要なのではないかと思います。

 

たとえばスペシャルティコーヒーの世界ではコスタリカのコーヒーが有名です。

これは精選方法を試行錯誤し工夫しつづけた結果として、様々な特徴的なコーヒー生豆を作り出してきたことに対する信頼です。ですが、それをもって無条件に全てのコスタリカ産コーヒーが美味しいということにはならないと考えます(あくまでも例えです)。

 

焙煎方法も然りでしょう。

例え私がものすごい手間のかかるオリジナル焙煎技術を編み出したところで、結果作られるコーヒーが普通の味であれば、それは私の自己満足でしかありません。実際に飲む人にはほとんど関係のない話です。

 

飲む人の「美味しい」に繋がってこそのスペシャルティコーヒーで、さらにそれは1人ずつ違うものだと思います。

だからこそ品種や産地・農園も勿論大切ですが、実際にどういう味わいが得られるのか、という点にこだわっていきたいのです。

 

まだまだ微力な当店ですが、少しでも多くの方にスペシャルなひとときをお届けできるように引き続き努力を積み重ねていきたいところです。

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