マンデリンはほろ苦いコクのあるコーヒーで日本でも昔から人気のあるコーヒーですが、生産方法などコーヒー豆の中でも少し変わった存在です。
過去何度か書きましたが、なにより特殊なのがコーヒーチェリーから生豆を取り出す精選工程で、「スマトラ式」と呼ばれる独自の方法で処理がされています。
【過去コラム】
インドネシア産のコーヒー豆マンデリン
その結果、コーヒー生豆の外観は濃い緑色をしていることが多く、焙煎の際にはある程度の慣れも必要なコーヒーです。
特に浅煎りで焙煎するためには外観だけで判断するのではなく、音や焙煎時間など複合的に判断するといいでしょう。
元々の色が濃いためにどうしても浅煎りの豆を外観だけで判断することは難しいのです。
そんな少し変わったマンデリンですが、さらに変わったマンデリンも存在していますのでご紹介します。
ナチュラル方法のマンデリン
マンデリンはコーヒーチェリーから果肉を除去した後に、パーチメント(殻)を取り除いてから乾燥させるコーヒー豆の精選方法としては特殊なスマトラ式なのですが、全てのマンデリンがスマトラ式というわけではありません。
私が実際に飲む機会があったのは、ナチュラル(非水洗式)で精選されたマンデリンでした。
非水洗式ということはコーヒーチェリーがついたまま乾燥させているわけですね。
気候的にインドネシアで非水洗式のコーヒー豆を作るのは難易度の高く、主流の商品となることは無いのでしょうが非常に面白いコーヒー豆でした。
味わいとしては、口の中にすっと入る飲みやすい味わいの中に上質な酸味と後味のあるコーヒー豆です。
飲んでいて感じたのは、「プリンセサワイニー」に少し似ているかもしれない。という印象ですね。
プリンセサワイニーも非水洗式のコーヒー豆であり、またモカの非水洗式の豆もフルーツ系の酸味と香りが特徴的なコーヒー豆です。
果肉がついたまま乾燥させていく非水洗式のコーヒー豆は、単に果肉部分の成分が豆に移行しているという単純なもの以上に特殊な変化を与えているのかもしれません。
もしかすると新たな美味しいコーヒーを作るヒントがそこにあるのかもしれません。

マンデリン・グレード1 【ゆう珈琲】