強烈な苦味と香りが特徴的な個性派コーヒーのロブスタ種。
ベトナムとインドネシアの主要栽培品種でアイスコーヒーやインスタントコーヒーの原料用途として使われていることが多いです。
ロブスタの名前の由来である「強い」という言葉の通り、ロブスタ種のコーヒー豆は病害虫に強く生産性に優れているコーヒー豆です。
(ロブスタはカネフォラ種の品種の一つです)
その味覚特徴と生産性の高さからまるで悪いコーヒーのように言われることもありますが、今回はそんな汚名を返上するべく、ロブスタ種の「強み」について書いていきたいと思います。
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ロブスタ種の「苦味」を活かそう
ロブスタ種には特有の苦味があり、単品で使われることが非常に少ない理由がそこにあります。
私も単品で飲むことはあまりオススメしませんが、ブレンドすることで苦味をうまく活用することも出来ます。
例えば上質な中米のマイルド系コーヒー豆だけでブレンドコーヒーを作ったとしましょう。
そのコーヒーでカフェ・オ・レを作った場合に苦味という点ではあまり味わうことは出来ないでしょう。
一方でロブスタ種を適量ブレンドしたコーヒーであれば、砂糖やミルクを入れてもしっかりとしたコーヒーの苦味やコクを味わうことが出来るのです。
適量でというのがポイントで、苦味を出したいからと言ってもロブスタ中心のブレンドにするか、アラビカ主体で一部をロブスタにするかで全く違う味になります。
ロブスタ種の「香り」を活かそう
ロブスタ種は、きな粉のような特有の香りがあります。
通常はこの香りをロブ臭と呼びマイナスで考えられることもありますが、反対にこの特徴的な香りを活かすことが出来ればアラビカ種だけでは表現出来ない特有の香りのあるコーヒーを作ることも出来るはずです。
ローストや配合次第ではロブスタ種の香りがキラリと光る絶妙なブレンドを作り出すことが出来るかもしれませんよ。
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ロブスタ種の嫌な後味の正体は?
さてロブスタ種のコーヒーを飲んでいると嫌な後味のあるコーヒーに出会うことがあります。
特にインドネシアの非水洗式のコーヒーに多いですね。
これはロブスタ種の問題というよりも欠点豆の混入による影響が大きく、ハンドピックで欠点豆を取り除くだけでも随分と改善させることが出来ます。
一方で水洗式のコーヒー豆はWIB(west indische bereding)という商品も存在しており、こちらは水洗式であることに加えて欠点豆の含有量が少ないことから、力強い味わいはありますが不快な後味は少なくなっています。
ベトナム産のロブスタ種もインドネシアのロブスタとはまた違う風味があります。
ベトナム産ロブスタはどちらかというと尖った部分が少なくなっている印象を受けます。
そのため浅煎りコーヒーにブレンドするのであればベトナム産ロブスタの方が使いやすいかもしれません。
カフェインを摂りたい人向けのコーヒー豆
ロブスタ種のコーヒー豆はアラビカ種と比べておおよそ2倍のカフェインが含まれています。
そのためしっかりとカフェインを摂取したいのであればロブスタ種が最適です。
コーヒーの健康効果でカフェインの作用を有効利用したいのであれば、ロブスタ種を多く含んでいるコーヒー豆が向いています。
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エスプレッソの泡について
エスプレッソでは表面の「クレマ」が大切なのですが、ロブスタ種を入れることでクレマの層が安定すると言われています。
味覚的にも適度にロブスタを入れているコーヒーの方がエスプレッソに合いますので、エスプレッソ用のコーヒーには上手に使っていきたいですね。
いかがでしたでしょうか?
普段あまりクローズアップされる機会の無いロブスタ種の「強み」について思いつくままに書いてみました。
要は使い方によって活きるかどうかは変わってくるのです。
そこは当店のようなコーヒーを加工している人間の、腕の見せ所とも言えるのではないでしょうか?