スペシャルティコーヒーで以前からサンプルを依頼していたコーヒー豆がありました。
実はかなり昔にも一度飲んだことがありその当時も製品化したいと考えていながら、その特徴的すぎる風味から取扱いを断念したことのあるコーヒー豆です。
苦味は少なく豊かな風味と濃厚な味わいがあり、一般的なコーヒー豆と思って飲むと違和感のある、変わり者のようなコーヒー豆です。
以前に飲んだ当時から10年弱経過していますので味がどのように変化しているのかを含めてきっちりとカップテストしていきたいと思います。
当時受けた強烈なインパクトそのままのコーヒーであることを期待しています。
生豆サンプルの特徴について
今回私の手元に届いた生豆サンプルは非水洗式(ナチュラル)で作られたコーヒー豆です。
ドミニカ プリンセサ・ワイニーも同じ非水洗式のコーヒー豆であり、どうも私の味覚は非水洗式の味が合っているようです。
非水洗式ばかりを取り揃えるつもりは全く無いのですが、味覚的に素晴らしいものであれば精選方法関係なく取扱いと思います。
ご存じの通り非水洗式では果肉がついたままでコーヒーチェリーを乾燥させていきます。
果肉を取り除いてから乾燥させる方法と違い、乾燥に時間がかかりますのでコーヒーの味に与える影響も決して少なくはないのです。
それが味覚面にプラスに働くこともあれば、乾燥させる環境によってはマイナスになることもあります。
コーヒー豆の生産者にとっては特徴的なコーヒー豆が出来る可能性もあれば、天候次第で使い物にならなくなるかもしれないというリスクも抱えているわけです。
これはコーヒー豆を焙煎する仕事に携わっている者にとっても同じことが言えます。
生豆が必ずしも望んでいる一定の品質であるとは限らないため、特に非水洗式のコーヒー豆については念入りに品質確認をするようにしています。
コーヒー豆の精選方法の種類について
少し話は逸れますが、コーヒー生豆の精選工程は大きく4種類に分類されます。
・非水洗式(ナチュラル)
・水洗式(ウォッシュド)
・スマトラ式
・パルプドナチュラル
の4種類ですね。

ただしこの4種類の精選方法が全ての産地で全く同じように使われているわけではなく、コーヒー豆の美味しさを追求するために日々様々な新しい試みがされているのです。
水洗式のコーヒー豆は発酵槽と呼ばれる場所に果肉除去したコーヒー豆を入れてミューシレージ(粘液質)を取り除いていくのですが、酸素を全く含まない嫌気的環境下で発酵を進める取組をされている産地もあります。
(嫌気的の反対が好気的で酸素のある環境のことを指します)
農業の堆肥作りでは利用されることもある発酵方法ですが、コーヒー豆の精選で利用するとは意外な試みです。
嫌気的発酵は管理が難しく失敗すると腐敗が進んでしまうものなのですが、完成したコーヒー豆がどのような味をするものなのかまた一度飲んでみたいものです。
スペシャルティコーヒーのコーヒー原料はこのような生産地の日々の努力の結晶と言えるのではないでしょうか。
私も負けずに工夫を積み重ねることで、「ゆう珈琲でしか味わうことの出来ない」素晴らしい商品の開発を続けていきたいと思います。
9月以降は商品をより充実させていきます
冒頭で書きました新規生豆サンプルも候補の一つなのですが、お盆明けにひと段落したタイミングで新しいコーヒーの商品化を検討しています。
開発状況次第ではご案内出来るのはもう少し先になるかもしれませんが、今までには無い味のカテゴリーの商品も模索したいと思っていますのでお楽しみに。